推しで満たす

「みにくいげんじつ」に、癒しと皮肉を。遂に開幕した『教育番組 ほめほめカフェ』で、タマに”お給仕”されてきた話。

2025.09.09
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INFORMATION
教育番組 ほめほめカフェ|渋谷PARCO
社会の荒波に揉まれ、すり減った心を引きずって「教育番組 ほめほめカフェ」に足を運んだ。社会に不適合な二足歩行アザラシ「タマ」。可愛らしい見た目とは裏腹に常に死んだ目をしている彼が、奉仕精神と笑顔が資本であるメイドカフェでお給仕するというのだから、これは単なるコラボではない。

2025年9月6日(土)渋谷PARCOで『教育番組 ほめほめカフェ』がスタートした。でみたす!編集部はオープニングに先駆けて会場に潜入。イベントの一部始終を取材した。

場所は社会適合者の総本山、オシャ&インバウンド商業施設の最高峰ともいうべき渋谷PARCO。あまりにタマのキャラクターと不釣り合い。そんな中で6Fに上がるとそれはあった。

入り口はひたすらポップ

「ほめほめカフェ」という名前自体が、最高の皮肉(ほめ言葉)として機能しているようだ。

わぁかわいい☆

会場である渋谷PARCOのカフェは、一見すると典型的な「KAWAII」空間だ。しかし、その完璧な世界観は"奴"によって心地よく裏切られる。

……いた。

こんなに目に光がないことってある?(無加工)

メイド服を着たタマ、親友のタコであるパウル、ものしりなパソコンのはかせ。特に主人公タマの表情に注目してほしい。フリルのついた愛らしい衣装とは全く不釣り合いな、虚無を映す瞳。

※この日はタマの出勤日でした。毎回出勤しているわけではありません。

タマの接客

今回はオープニングということで、タマが接客してくれた。

アルバイトに励むタマ。本当にリアクションがない
「つらひ」

この視覚的な不協和音こそが、『教育番組』の魅力を完璧に物理空間へと落とし込んでいる。この空間全体が、常に前向きであることを求められる社会の圧力(装飾)と、与えられた役割(メイド服)は着るが魂までは売り渡さない我々の姿そのもの。タマが無気力であればあるほど、不思議と心が解放されていくのを感じた。

提供されるメニューも、世界観を文字通り「味わう」ための、シニカルでかわいいものばかりだ。人生の不均衡を表現したかのように少し傾いたパフェや、不思議な色のドリンクなど、一つ一つのメニューに物語が込められている。

ちなみにどれも普通に美味しいです。

これらは単なる食事ではなく、ファン同士の共通言語で楽しむインタラクティブなアートとなる。併設されたショップの限定グッズは、この奇跡的なイベントの聖遺物だ。無気力の象徴が奉仕のアイコンを着せられているという、この高度なジョークを理解する者としての証を、私も手に入れた。

そしてメインイベント、”本物”のタマとの邂逅だ。メイド服に身を包んだ彼は、緩慢な動きでふらりと現れ、特定のファンに媚びることもなく壁際に佇む。

熱烈な声には「うるせえ」。事実を淡々と告げ、あらゆる情緒的なコミュニケーションを遮断する、見事なまでの塩対応である。特に印象的だったのは、あるファンが交流を試みた際に提示された「あくりょくえぐい」という謎のメッセージ。

「あくりょくえぐい」

文脈を無視した突飛な一言は、その場の全員を爆笑の渦に巻き込み、『教育番組』のシュールな魅力を体現していた。これこそが我々ファンが求める最高のインタラクションなのだ。

帰った。

不完全の我々を肯定してくれる場所

タマはもはや単なるアザラシのキャラクターではない。彼は、不完全な我々をありのまま肯定してくれる一枚の許可証である。このみにくいげんじつにまた心がすり減ったら、契約期間が終わる前に立ち寄ってみては? 最高の無関心が、きっとあなたを迎えてくれるだろう。

『教育番組 ほめほめカフェ』 開催概要

会場: TOKYO PARADE goods & cafe(渋谷PARCO 6F)
住所: 東京都渋⾕区宇⽥川町15-1 渋⾕PARCO 6F
期間: 2025.9.6(土) ~ 11.3(月)

※タマは毎回出勤しているわけではありません。
※カフェのご利用は、事前予約優先でご案内いたします。詳細は公式サイトをご確認ください。

虎硬

絵を描いたり文を書いたり。

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